皆様こんにちは^^
今回は価格の決め方③です。
これまでの2回のブログで、市場価格を参考に価格を決め、次に決めた価格で利益が出るのかチェックしてみるという流れを説明しました。
今回はさらに踏み込んで商流を踏まえた価格付けの話です。
商品やサービスは、必ずしも直販だけとも限りません。
自社で製造し、小売店に卸売し、小売店からお客様に販売してもらうという流れもありますね。
もしくは自社は製造に徹し、卸売事業者に卸売し、卸売事業者から小売店に販売され、小売店から消費者に販売されるという流れもあります。
サービス業でも卸売される場合があります。
例えば旅行商品です。旅行商品を自社開発し、旅行代理店に販売してもらうという商流もあるかもしれません。
直販ではない場合、中間事業者の利益も考える必要があります。
例えば、自社は製造に徹し、自社→卸売事業者→小売店となる場合は、卸売事業者と小売店の利益を考える必要があります。
利益は通常「粗利」で考えます。
粗利とは売上から仕入を引いた金額になります。
粗利の計算には通常「粗利率」など割合を使います。
粗利率は販売価格に占める粗利単価の割合で計算します。
具体的には(販売価格-仕入単価)/販売単価で計算することができます。
粗利率は業界によっても違いますが、小売店で30%~40%が目安となるかと思います。
卸売事業者では、10%~20%あたりが目安となってきます。
逆に売上高に占める仕入高の割合を仕入率と言います。
仕入率は、仕入単価/販売単価で計算することができます。
また、仕入率+粗利率=100%ですので、100%-粗利率でも計算できます。
ではこれらをもとに具体的にどのように販売価格を決めていくのか見てみましょう。
例えば、粗利率を小売店で40%、卸売事業者で20%と想定したとします。
この場合の仕入率は、100%-粗利率ですから、小売店の仕入率は60%、卸売事業者の仕入率は80%と計算できます。
市場価格を参考にして決めた販売価格にそれぞれの仕入率を掛けていくとそれぞれの卸売値が見えてきます。
例えば、小売価格を1000円としたら、1000円✕60%(0.6)=600円となります。
これが、卸売事業者から小売店への卸売価格となります。
さらに600円✕80%(0.8)=480円となり、これが自社から卸売事業者への卸売価格になります。
どうでしょうか。小売価格の半値以下になってしまいましたね。
この480円で自社でもしっかりと利益が出るか確認する必要があります。
逆の計算もできます。
当社から卸売事業者への販売価格が720円だった場合、小売価格はどのくらいになるかという計算です。
この場合は、仕入率で割っていきます。
例えば、卸売事業者が20%の粗利を乗せて小売店に販売するには、500円/80%(0.8)=625円となります。
さらに小売事業者が40%の粗利を乗せて消費者に販売するには、625円/60%(0.6)=1041.666円、1042円と計算できます。
特に直販だけでなく将来卸売も考えている方は注意が必要です。
最初から利幅が少ない価格付けをしてしまうと、いざ卸売をしようと思ったときに卸売先の利益が確保できず、直販のみしかできなくなってしまいます。
自社で作ってさらに販売の努力もするわけですから、しっかりと利幅を持っておきましょう。
今回が価格の決め方シリーズの最後になりますが、価格付けは事業をする中で一番悩むところかもしれません。
必要に応じて専門家に相談してみるといいでしょう^^